「強迫的な子どもたち」 (星和書店) を翻訳したのは33年前

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ふと、人と話していて33年前に仲間たちと翻訳した「強迫的な子どもたち」(ポール L. アダムス)を、思い出して取り出してみた。

1994年に再版されたときに書いた文章はそのまま今の若者たちに繋がることに戦慄を覚えた。
大学院生が無謀にも翻訳に取り組んだこの本は、今の日本の子どもたちにこそ、必要なのかもしれない。

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「相手の立場に立つ」練習、したことある?

「子どもの立場に立って考える」「子どものこころに寄り添う」という言葉は、保育者なら何度も聞いたことがあるだろう。
しかし、その練習をしたことがあるだろうか?そして、その練習方法を提示されたことがあるだろうか?答えは、おそらくNoである。
ではもしあなたが野球選手だとして、コーチが「ヒットを打つことが大事だ」と言い、「ヒットを打つには球をよく見るんだ!」というのを聴いただけで、その翌日から練習もせずにヒットが打てると思うだろうか?そんなことはあり得ない。では相手の立場に立つことはヒットを打つより簡単で、練習など要らないことなのだろうか?それもあり得ないことだ。

このところそのことをテーマにしたワークショップ入りの研修を続けて引き受けさせていただいた。通称「一人称ワーク」といい、私なりに30数年実施し改善してきた「相手の立場に立つ」練習の一部を講演の中で30分~1時間のワークショップで紹介する。「頭の中で子どもの立場に立って考えてみる」ではなく、その子になって(演じて)そのシーンの保育者役を別の人に演じてもらって、自分の中に起こってくる気持ちに目を向けるのである。(ぷろほの「保育心理演習」にあたる。)

たくさんの感想が「自分自身のしてきたことへの気づき」を伝えてくれた。
「今まで、子どもの立場に立って考えるなんて当たり前に意識していたと思っていたけれど、今日やってみて全然足りなかったことが分かった。子どものためと思っていたことが、自分でやってみると子どもを不安にさせていたり、自信をなくさせていたりしていたと反省しました。」
「困った子がいたときは実際に困った子になりきることで見えてくるものがあると分かりました」
「子どもの立場で考えているようで、考えられていない自分に気づきました」
「ダメなことはダメなんだけれど、そのことをその子の立場で伝えられる教師になりたいと思いました。」
「演者になることで、子どもとして感じることができ、子どもの心情を理解し、寄り添うことが可能になると、凄く感じました」
「子どもが納得していないだろうなと思いながら、反省させ、謝罪させていた自分に気づきました」
「子ども同士のトラブルを大人が解決しても納得できないことが伝わってきました」
「一人称で書き直すだけで、子どもの気持ちが自分の中にすっと入ってきて、そこから考えることができました」
「今日の実践交流会を見て、子どもたちは様々な気持ちを抱えていること、一番大事なのは子どもがどうして欲しいと思っているかを感じ取ることだと分かりました」
「自分が良かれと思って言っていたことが、その子の立場になって言われてみると、子どもを追い詰めていたことに気づきました」
教えられたことは忘れても、自分で気づいたことは忘れない・・。この気づきを大切に「なって感じる」この一人称ワークが、多くの園の園内研修で拡がることを願っている。

(ワークの流れは、保育心理演習のテキストぷろほ発行の「あなたの一言」(\650)でワーク1~4の段階をおって紹介されている。それぞれの保育者が持って園内研修に役立てていただきたい。)

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あけましておめでとうございます

mini_160

mini_160

今年の占いがてらの福袋や千円くじ。結構当たりの品と出会えました。
写真の小さな木の家たちは、「グラムハウス」と名付けられたg=10円の木工細工。何より箱庭療法にぴったりの木の家たちに大喜び!しかも、これで100gなので千円。
長年箱庭療法をやってきていて、30年以上もグッズを集め続けているけれど、この家との出会いは久しぶりのワクワク。
きっと素敵な何かが待っている気がする2016年の始まりでした。
今年もよろしくお願いいたしますm(._.)m

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連続の仕事の最後に嬉しいこと

昨日は10時から16時までの保育研修。そのまま熊本泊まりで、今日は9時半から16時までの保育士研修の後、熊本市外のK市で18:30~20:30で「発達のもつれと保育者」をテーマに講演。
さすがに最後の講演は、漢方薬でテンションを保ったが、講演後のある園長先生の報告で疲れも吹き飛んだ。

その講演では「1歳児の遊びが一人遊びの時期であるなら、一人遊びを遊び込めるような環境にして」「子どもがすることはその子に必要なことだから。それを止めるのではなく、危なくない方法を考えることが保育者の役割」というような話をしたのだが、それを聞いたその園の1歳児の担任が、講演が終わるや園長の所に来て「先生、明日職員会議して下さい。1歳児の部屋を変えます!」「Aちゃんがいつも空いているロッカーに入っていて、そこはフックもあって危ないから入ったらダメって言っていたけど、あれはAちゃんに必要だったんですね。明日からは、フックをガムテープで留めて入らせます」と言って帰ったという。「講演を聴いてすぐに動きだそうと保育士から声が上がったのは初めてです。明日からの保育が変わったら、また報告します。」と、園長は嬉しそうに話して帰っていった。

私の蒔いた種を、すぐに土に埋めようとしてくれた保育士に感謝!

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嬉しいレポート

夏に実施された保育心理士講座のレポートが届いた。
私が講演・講義するということは種を蒔くこと。レポートを出すまでの間に。それを少しでも実施してくれて子どもや保育者の変化を書いてくれるレポートはありがたい。2つ紹介しましょう。

◇「子どもは必要なことしかしない」というお話があり、保育士はその行動からその子の心を受け取って、その子が安心して生きていけるように支援する専門性が必要なのだと聞いて、今までを深く反省しました。

早速園に帰って、2歳児で噛みつきが起こってしまった時に、とっさに噛みついた子に側にあった積み木を噛ませてみました。するとその子は積み木を持ってニヤッと笑い、自ら噛みついた子の手をスリスリして「ごめんね」と頭を下げていたのです。

今までは噛みついた後、かたくなに何も言わなかった子が、対応次第でこんなにも気持ちの表現が変わることに、驚きと共に申し訳なさでいっぱいになりました。

◇講義の中にあった「子どもの一人称で物事を見る」ということばに、もやもやしていたものが取り払われた気がして、園に帰ってすぐその話をしました。

また、子どもが落ち着ける環境はどういうものかを話し合いましたら、これまでは「子どもに困らされている」話ばかりしていた人が、「◯◯したら落ち着きました」「△は苦手だけど、□なら嫌がらない」などと子どもの姿を話し始めました。

さらに、子どもが落ち着けるアイテムを見つけたことにより、今まできりきりしていた子どもの表情が穏やかになり、安心して自分の遊びを楽しめるようになってきました。

・・・・・・

たくさんのレポートに実践が書かれ、あちこちで私の蒔いた種が芽を出している姿に有難さを頂いている秋の日々です。

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ぷろほがスタジオに!?

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今日は夕方からテレビの撮影がぷろほに入りました。子育て相談の番組で、所長が答えます。

数分間ずつですが、11月の放送です。

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種が芽を出す!

今日の保育者の研修は、年に5回を同じ保育者が受けるシステムで、月に1回1日研修の3回目。
保育者の視点で・子どもの立場で発達のもつれを考える「事例検討」でした。とてもとても嬉しいことがあったので報告!

前回のブログで、私は「子どもに寄り添う」「子どもから学ぶ」種をまいているが、その種を土に埋めるのは私の話を生かして保育実践をする保育者・・という話をしましたが、まさに今日の最後に話された事例は、その実例でした。

友だちを叩く、物を投げるという行動が多く、友だちからも「怖い」と言われていたAくんでした。報告してくれた先生は、私が1回目の講座で話した「子どもの行動は、それが必要だと教えてくれていること。それを保育の中に取り込むことで、差し障りのないものにする工夫こそ保育であって、子どものSOSを否定してはいけない」という話を、早速、園で実践してくれたそうです。
思い切り手を振りまわせるように、フラフープを部屋に下げ、その輪の中に紙飛行機を投げることや、壁に的を描いて、そこに当てる遊びを始めたところ、Aくんは群を抜いて上手く、張り切ってどんどんやるので友だちへの暴力はなくなり、友だちたちも「Aくん、すごい!」と誉めるようになって、Aくんはみんなの憧れになったそうです。

私の種を、しっかりの保育の中で土に埋めてくれた先生、見事な芽を出してくれた子どもたちに感謝・感謝です。このAくんが「みんなに見守られた幼児期」を持つ人間として、これから彼が生きている限り私の種は彼の中で生き続けることが出来る・・・嬉しいことです。

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種を蒔く旅

夏休みは研修続き。
7月末から9月6日までの休講期間に、宮崎でのクレパス画研修をスタートに、東北や京都・四国での言語保育セラピスト講座から、4年制大学での初めての集中講義、そのほか多数の講演・研修で、お盆の他はほとんど家におらずに、あちこちで研修をさせていただきました。
もちろんぷろほのことをもっとたくさんの方々に知っていただきたいという思いはありますが、学ぶ意欲のある保育者の方々には、未だ未だできることがあることを伝えたいのです。

研修の中でもお話ししたのですが、私は今「子どもによりそう保育」の種をまいていると思っています。
でもそれを土に埋めてくれるのは、直接子どもに関わる保育者の先生たち。先生たちがその学んだことを実践してくれて初めて、私の種は芽を出すのです。
でも、一度芽を出せば、そんな幼児期を過ごせた子どもはそれからの80年ほどの人生を「守られた幼児期」を基盤に生きていけるのですから、その子どもの中で私はこれから80年生きていけるのです。
私自身はあと20年くらいかもしれないが、先生方が実践してくれることで、私の願いは80年も、その先も生きていけるから、できる限りのことをして今を生きたいと思っています。

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文科省助成 不採用~

4月に文科省に提出した
「幼児教育者に資する集中的専門研修の機会の提供とその効果に関する実践的研究」
子どもたちの現代的課題に関する認識を深め、養成校卒業後の幼児教育者が学ぶべき課題を一定期間のなかで集中的に学ぶ機会を提供することによる実践・指導力のある幼児教育現場リーダーの資質向上プログラムの提案・・・
の不採択の通知書が来ました。申請20件中、採択された11件は・・・行政が5件、大学が2件、社団法人1件、公益法人3件。みんな文科省とつながりのある、バックのあるところじゃん!

残念です。

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休講期間中

mini_150

mini_150

休講期間中は、所長は逆に忙しい。
昨日は一日久留米で「虐待の初期対応」について研修を受けた。RIFCRという手法はとてもシンプルで学びが多かった。
今日は熊本で一日研修、今度は講師。5回連続の研修の一日目。また今年も新たな出会いが有りがたい。

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