不思議なご縁、旅先で保育の話

かつて、私のクラスにいて中途退学した教え子が、やはり資格を取ろうと思って行った通信制の大学で出会って、「心理に興味がある」というその人を私に紹介したという不思議なご縁のM保育士。いま神奈川にいるというので、横浜の娘のところの駅近くで、昨夜会って食事をした。

今の保育園(会社組織のたくさんの園を経営しているようだ)でも、園長より主任より勤務が長く、信頼されているらしく、たくさんの保育の話をした。特に支援や配慮の必要な子どもに目が行き、今は個別支援を中心に関わる立場にいて、3か月で自分が関わっている6人はほぼ落ち着いたという。特別支援教員の免許を取って、特別支援コーディネイターという立場で活躍してくれそうな人だ、いろいろな先生方に学びをつなぎたい。

その中で、いつもその保育士が引っ掛かることとして次の様なことが語られた。
「すぐ(部屋や園庭から)飛び出す子がいて、いくらダメだと言っても効果がなかった。巡回指導の先生が『保育士の気を引こうとしているだけだから無視するように』『目を合わせずに、とめて反対を向かせる』と指導され、そうしたら、その関わりをとても嫌がったが、結果としては出ようとしなくなった。」他にも、「すぐ立つ子は、立とうとしたら膝を押さえつけることで、『立たなければ、嫌な(痛い)ことをされない』と教えることで、座っているようになる」という指導があり、その子は座っているようにはなった。しかし、目を合わせずに近づいてくる保育者をとても嫌がることと、座っている時の辛そうな表情をみると、結果が出たからと言って、これでいいと思えない。」と悩んでいた。
さすが、この保育士の感性は素敵だ!

私はこう話した。
「気を引こうとしているから無視するように」とは、多くの心理士や巡回指導者が助言するけれど、私はそれはNeglectという虐待だと思っている。気を引こうとしているのなら、「ちゃんと気を引かれてやる」ことが大事で、「無視することで諦めさせる」は虐待と同じこと。その指導が多くの子どもたちの自尊感情を育ちにくくしていることに専門家と言われる人たちが気付いていない。
ただ!!(ここからが大事!)悪いことをした時に気を引かれるのではなく、普通の時(悪いことは何もしていない時)に気を向け、声をかけ、認めることが大事で、普通の保育者はそのいう子どもが何もしていない時は声をかけず、悪いことをした時だけ声をかけてしまうから、それが強化刺激になってしまう。何もしていない時に声をかけることができるのが「ぷろの保育者(ぷろほ)」。

その保育士は、「座っていなかった子に、『今日は座り方が上手だった』と褒めるようにしたら嬉しそうに座るようになった・・・あれでよかったんですね!」と嬉しそうに話してくれた。
「いつか、関係園の全体研修にお呼びしてもいいですか?園長もお願いしてって。いつでも先生の都合に合わせますって」と。ありがたいご縁がまた繋がった。

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