10時から同行した人形劇団おひとり座公演。その後、保護者だけ別室で座談会を実施。
福島は本当に現在進行形であることを感じるし、言葉の選びにも気を遣わざるを得ない。先が見えないつらさ、お母さんたちの不安が子どもにつらく当たる態度になるのを見ると、園がお母さんたちの支えにならないと…と思う、とSさんも言っていた。
<座談会記録より抜粋>
・夏に園(寺院関係)のお世話で名古屋に行ったが、帰るときには涙を流していて、やっぱりこれまで思い切り遊べてなかったんだなと思った。家の中で、野球をしたりサッカーしたりしてめちゃくちゃ。雪が降って、やっとスキーで外で身体を動かせる。
・暖かくなったら散歩に行ったりしたいけど、だめなんかなって不安です。
・最初は放射線っていうのを理解してないからいきなり外で遊んじゃだめだよって言っても、理
由がわからなくてすごくストレスがたまっていた。
・アスファルトとかのところは線量低いけど、砂利とか空き地とかで草あるところとかは全然違
うから。子どもは何で怖いかはわからなくても、怖いってことはわかる。うちの周りも園から
借りた線量計で測って遊ばせています。
・頑張ってここにいるんだけど、頑張ってないで避難した方がよかった、って後で言われるんだ
ろうなあって思うとね、どっちがいいんだか。
・でも、人の温かさって言うか、よそ様に優しくしてもらうとか、心配してもらうことを経験し
て、私たちも人に優しくしないといけないなって思うようになって、ここには浪江の人たちがきているけど、自分たちが優しくしてもらった分、優しくしようと。
・草を触っちゃだめってことは分かっているけど、「これあった~」とか四つ葉のクローバとかと
ってきたりする。興味引くものを見つけたら、だめだなんて吹っ飛んじゃって、お母さんに見せたいと思ってとってくるんでしょ?それを飾っていいのか…。
・子どもがくれるんだからね、あんまり神経質に「持ってこないで」とか言えない。かといって、あとでいろいろ考えたら、少しずつでも溜まっていくのかなとか考える。
・週末とかになると、外で遊ばせてやりたいから遠くに出かける人が多いと思う。子どものためとはいえ、結構お金かかるよね。
・家にいたらやっぱりゲームばかりやってるけど、やめなさいって言えない。
・野菜とかも地元産は安いのに、他の地域からのは倍以上する。高くて買えない。それがずっとずっと続くのかなと思うと、やっぱり大丈夫ですって言われても信用できないって言うか。
・二本松は浜通りではないし、爆発して風に運ばれてきて影響出るなんて考えてもいなかった。近くの人たちは、爆発してすぐに逃げろってなったから、ここの子どもの方が浴びてんじゃないかなと思うけど、そういうのをぶつける場所もないし。
・福島県ってだけでネット上では叩かれてるんだよね。情報を求めたくてネットでいろいろ調べると、へこむんですよ。安全です、って言われたから向こうの人たちだって誘致したわけで、命がかかってもいいなんて思ってない。
・ お母さんたちが署名集めて母乳の線量測定を始めたり、お母さんたちがこんなに苦労して、今、子育てしているってことをみんな知らない。
・室内でも、親もストレスを抱えないで子育てをするプログラムがいる。
・この状況の中できちんと子どもを育てるにはどうしたらいいかを、プロフェッショナルの人たちが考えてほしい。発達も体力的にも親子関係も食事も…。
・実家の私のおじいちゃんおばあちゃん、孫に食べさせたいってイチゴ作ったりぶどう作ったりしていたんですよ、でもそれができなくなっちゃったら元気がなくなって。収穫を一緒にやって、無農薬だからその場で食べて、っていう子どもの姿がみんなの楽しみだったのに、孫と一緒に種まいて一緒にとるのが毎年の楽しみだったのに、今年はそれがなし。
・うちは放射能出なくっても、うちで作ったお米は子どもには食べさせられない。おじいちゃんおばあちゃんが食べるお米は自分の所の、孫が食べるお米は他県のを買ったもの。炊飯器も別々で、なんか食事が元気ないですよ。