言語保育セラピストへの思い

ぷろほのfacebookにも書いたけれど、「言語保育セラピスト」養成はぷろほの使命の一つだと思っている。保育者が日常の保育の中で子どものことばのつまずきに対応して保育支援(治療ではない)を行ってゆく。その背景には「ことば」に対するぷろほの想いがある。
受講生が感想に書いてくれたように、ことばは「話したいこと」と「聞いてくれる人」が不可欠である。そして、この二つは、治療の中ではなく日常生活でこそ得られるものである。
ことばの教室で「おたーさん」と発音する子が何度「おかあさん」と言わされても、そこにはお母さんがいるわけでも、今お母さんに何かしてほしいわけでもないとすれば、それは「ことば」ではない。2歳の時に自閉症と診断されたある子どもが、テレビや電子おもちゃの一切を禁じて数ヶ月後に、車の後部座席から「おかあさん!」と呼びかけ、「はあい」とお母さんがこたえると、何度も「おかあさん!」と呼びかけるシーンは感動する。これが「ことば」である。

まず、「言いたいと思う気持ちや内容」をどれだけ豊かに体験するか、そして、「誰かがしっかり聞き取ってくれる人になるか」が子どものことばを促す最大の要因である。

それは英語でも同じ。まず、子どもが何を話したいのかをしっかり聞き取ってほしい。そして、英語しか分からない相手に何とか伝えたいと思った時に、「英語ということば」が獲得される。「いまThis is a pen と言いたいかどうか」などお構いなしの英語教育が、日本の子どもたちが6年間英語を学んでもしゃべれない現状を作っている。
子どもに豊かな体験としゃべりたいほどの感動、そしてしっかり聞いてくれ、共感してくれる相手・・・保育の現場がそのような場であってほしい。

カテゴリー: 新着情報   パーマリンク

コメントは受け付けていません。