昨日手に入れた「軍隊をすてた国」のDVDをみた。中米の小さな国が、日本から遅れること2年、1848年に軍隊(戦争)放棄を憲法に明記し、今も守っている。
日本の九州と四国を合わせたほどの小さな国。しかも、紛争の多い中米の中にあって平和を守るために、国家予算の4分の1を教育費につぎ込んでいる。(日本との差の大きさに愕然!)
スラム街の小学校の授業風景が流れる。
2年生。「子どもの権利とは何でしょう?」と先生が問うと、すかさず「遊ぶこと!愛されること!」と答えが飛ぶ。先生が再び「愛される(ようにする)ことは(子どもの)義務ですか?」と問うと、「ノー!」と叫ぶ。
子どもの権利条約を批准しても、学校教育の中に全く入れようとしない日本と大きな違い。
子どもたちの生徒会選挙も、政党を作って公約を掲げ、選挙運動をする。選挙を身近な物にする教育があるから、実際の選挙の投票率も高い。選挙に行くのは民主主義を守るための国民の義務という考えのもと、選挙に行けるように、交通機関など国全体が選挙最高裁判所の命の元に動く。「選挙できる18歳になったら、国にも自分にも責任があるの」と堂々と語る。
高学年になると、国を担う人間になるために具体的な課題と向き合う。コカインなど麻薬の問題をどう解決するか?環境問題、ゴミ問題を通して平和とは?をグループで話し合って発表する。
6年生の「世界の平和」の話し合いの中で一人の女の子が言う。「貧乏とお金持ちってどうしてもあるわけよ。人をうらやむ気持ちって私にもある。それをどうしていったら平和になるの?」・・彼らは話し合い、自分たちなりの結論に行き着く。「差別はあっても、お互いを認めないとね。違いも含めて自分を受け入れることだと思う。」彼女は親の離婚、家庭崩壊から立ち直り、世界の紛争に苦しむ子どもをなくすためにジャーナリストを目指す。
芸術学校は小学生から高校までの一貫教育で、楽器演奏、絵画・彫刻、演劇、楽器作り、様々なダンスを毎日午後学んでいる。完成度はプロ並みだ。
国のことを外国の人に紹介する重要な仕事だから、観光ガイド養成も国立の学校で行われている。小学生たちが正規の授業としてガイドから学ぶ。
一つ一つの発想に目から鱗が落ちるようなDVDだった。早乙女勝元さんが2002年に作成したDVDだったが、なかなかこのようなテーマのDVDは拡がらなかったらしい。絶版になり廃棄されるところを赤とんぼ書店さんが手に入れ、細々と頒布している。美しいコスタリカの自然や生き物と一緒に、教育関係者にとっては様々な発見がある。是非見てほしい。