30年前の卒業生と・・

昨日は長崎での保育スーパービジョン。その園には30年ほど前、私がまだ長女をおんぶして集中講義をしていた頃に学生だった人が何人かいる。その先生方が休憩時間に「先生があの頃言っていたことがやっといま分かってきた」と言う。「私、何言っていたっけ?」と聞くと・・・彼女たちはみな揃って「あれですよ、Aちゃん、Bちゃん、Cちゃんの・・」といった。
例えば、AちゃんをBちゃんが叩いて、あなたはどうするか?という場面で、自分は、これはBちゃんが悪いに決まっているから、「Bちゃんに悪いことをしたと分からせて、謝らせる」と書いたら先生が机の間を廻ってきて、私の書いたのを読んで「違う!」と言ったんです。「ええ~?なんで?!」と思って、また考えて「Aちゃん泣いているでしょ?」とか、もう少し優しく書いてもまた、「ダメ!」と言って私のノートに赤でピンと書いて、「Bちゃんの気持ちになって考えてみて?」とか言う。その時の私は「Bちゃんは叩いたんだから、気持ちなんてなかろうもん!」と思っていた。
その後で、先生がBちゃんの気持ちを解説してくれたけど、「謝らせること」しか私の頭にはなかった。でも、ずっと心の中には引っかかっていて、保育心理士の勉強して、また先生のお話を頻繁に聞くようになって、やっと自分の中に落ちた感じ。この前、若い保育士に「この子の気持ちを考えてみて?」と言っている自分がいた。やっと自分も分かってきたんだなと思って嬉しかった・・・と。
私は30年前に学生にそんなひどいことをやっていたなんて・・(・・;)具体的に何したかは忘れているけれど、若かったから言い方がマイルドではないだけで、自分が言いそうなことだと思う。その時の数時間の体験がその保育者の中でずっと生き続けていたんだと思うと、保育者養成の教員の責任は大きいなぁ。

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