園は世界の遊び場などを研究している建築家千田満さんの設計だとのことで、美しい上に遊び心が満載。
教室内には、2階とつながる戸棚のような隠れ家のような段々梯子の棚がある。それが、建物のあちこちで柱以上に支えていることを感じる。
さらに、教室の上を一周できるような体育館の観覧席のような廊下がついている。そこに登る数ヶ所の煙突状のはしご部分も建物の補強になっていただろう。網の階段や網の廊下は、室内でしか遊べない子どもたちの楽しいアスレチック場。
建物だけでなく、保育もすばらしい。子ども自身が考え、子どもの発想をダイナミックに実現する作品展の部屋をちょうど見せていただいた。
音の部屋には子どもたちの工夫した音のコーナー ダンボールのグランドピアノの中
子育て相談で感じたのは、震災後、そもそも不安が高かった子どもはちょっと離れただけでパニックになる回数が多くなり、お母さんが疲れ果ててし
まっていること。震災後に引っ越しや下の子どもの誕生が重なった子どもは、そうでなければ乗り越えられたかもしれない人生のハードルが、乗り越えにくくなってしまっている。
また、3歳の子どもたちの1歳半健診後の発達ケアが、この1年間抜け落ちていることも大きなハンディ。1歳半健診で若干のチェックはされている子どもたちが、通常であれば、その後様々な子育て支援策やサポートがあったかもしれない2歳前後にケアがされていないまま1年たっている。
震災後の原発事故後のこの地域の保健所などにそれを求めること自体が無理なのだろうが、「子どもの人生のその時期は一度しかない…」と強く感じた。
帰りに、「いわき・ら・ら・ミュウ」という小名浜にある子どもたちのための室内遊び場を訪問。ポーネルンドがいわきと郡山に昨年11月と12月に開設したという。
外で遊べない子どもたちが、思い切り体を動かして遊べるように大型の遊具が工夫されている。
次の訪問地は南相馬。いわき市から北上できれば1時間ほど。しかし原発事故のためまっすぐ北上することがかなわないため、迂回して郡山、福島経由で移動。