暑い日が続きます。熱中症のニュースにも心痛める季節です。
近年の気温の高さも異常ですが、子どもが熱中症になりやすくなったようにも感じませんか?熱中症になりにくい身体とはどういう身体なのでしょうか?
それは「汗をかく」ということにヒントがあります。
人間の身体は全身に汗腺を持っていて、暑いときはそこから汗が揮発することで体の熱を奪う仕組みになっています。
人類の汗腺の数は、生まれた時は同じそうですが2歳までにどんな気候環境で育ったかによって「能動(汗をかくことができる)汗腺」の数が変わるそうです。
たとえば2歳までを熱帯地域で毎日大量に汗をかいて育てば、ほぼ100%の汗腺が能動汗腺になる(ちょっと動いても汗が出る)けれど、日中もあまり気温が上がらない地域で汗をかかずに2歳まで育つと、能動汗腺は30%ほどに止まる(あまり汗をかかない)のだそうです。
本来日本人は60%程度が能動汗腺だったのだけれど、今の日本人はそれが30%くらいになっている子どもも多いといわれます。つまり、汗をかかず、熱が身体にこもりやすい日本人が、各家庭にエアコンが行き届いて涼しい中で2歳までを過ごすことができるようになった1990年台ころから増えていることに、私たちは気付かなければなりません。
だから、保育者には「夏でも赤ちゃんをクーラーの中に置きっぱなしにせず、2歳までは、必ず一日に1回はエアコンのないところで動くことで、汗をかかせること」(もちろんその後は行水やシャワーで汗を流し、昼食後は涼しいところでお昼寝)と伝えてきました。
でも、それを知らない保護者や保育園は、一日中涼しい所に乳幼児を置いて、汗腺が30%ほどの子どもを作り出してしまい、その子が3歳過ぎて園で炎天下走り回ったり、学校で校庭に長時間いたりすると、熱中症になりやすい状態になるわけです。
2歳まで、あまり汗をかかないようにエアコンを効かせた中で育てた保護者の方はそのことを園や学校に伝える必要があります。
今育てている方々、どうぞ、一日1回は汗をかいて、それを流して食事をし、寝るときはしっかり快適温度で寝かせてください。