チェーンブランケット(子どものニーズ・その2)

1467117435383九州各地の保育園・幼稚園に、年に数回のペースで保育スーパービジョンに伺う。長いところはもう10年以上続いている。
事例にあがった子どもへの対応を一緒に考えてゆくのだが、その園の全保育士が参加する形の園だと、園全体の方向性の基盤になっているのを感じる。

以前にも書いたが、私は種を蒔いているだけだ。その種を子どもの日常という土壌に植えて、水をやって発芽に導くのは保育者たちである。そして、その後にその園に行ったときに、その実践と結果を伺うことが出来るのは至福の喜びである。
昨日の園では、昨年度の後半に「身体の緊張が高く、眠りが安定せず、感覚過敏が感じられる乳児の事例が相談された」。抱っこしている間は眠っていても、下に下ろすと起きてしまう子どもは多いが、この子はそれが極端だった。

最近、感覚統合グッズの中に「チェーンブランケット」というのを見つけていた。毛布に鎖を縫い付けた(販売されているものはそんな簡単なものではないが)もので、一定の重さを子どもの身体にかけることで、かえって落ち着いて眠れるという。何カ所かの園で紹介して「買うと高いから手作りしてみて?」と言っておいたが、この園でもその子に使ってみたという。写真のようにチェーンをキルティングに縫い付けて、それをタオルケットを半分にして縫った袋の中に入れて使っていた。

それまでは、1kgの米袋を入れたクッションを乗せて圧を掛けていたが、チェーンブランケットに替えたらみるみる落ち着いて、1~2ヶ月後にはブランケット無しでも眠れるようになって、半年後の今は不要となり、いまは4月に入園してきた他の子に使っているという。
もちろん、それ以外にも身体の緊張を解くためのタッチケア&わらべうた等も実施していて、子どもの安心のためのできうる限りの工夫をしている園だが、これまでの助言をどんどん実施した上での新たな課題に向き合っている保育士たちの姿に、「この園と出会ってよかったね」という子どもたちの報告を何例も伺うことが出来て、幸せな気分でホテルに帰った。

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